戦いから1年半もの月日が流れ、食べ物が尽き、亡くなる家来も多く出る中、波多野も申し出に応じ降伏する決意を固める。そして、安土にいる織田のもとに参った波多野であったが、織田は命の保障の約束を破り波多野を即刻処刑する。
「信長よ、情けはないのか。やはり、わしを処刑するか。」
「信長様、約束が違います。このままでは人質の母の身が危ない…。」
秀治の処刑を聞いた家臣らは激怒し、人質であったお牧を高城山の松の木にはりつけにし、処刑してしまう。
松の木にはりつけにされた光景は、目をふさぎたくなるような無残な最期であった。母を失った悲しみに暮れる光秀は約束を破った信長に対し、怨念を抱く。
「信長様、なぜ波多野公を処刑したのですか。そのせいで、私の母が…。いかに主君といえども、母の仇は不倶戴天の仇。」